2018年 岡山研修旅行を終えて
奈良県立大 1回生
【一人目】
岡山研修旅行を終えて、私が特に印象に残ったと感じたのは、岡山自主夜間中学の取り組みについてである。中でも、生徒やボランティアスタッフの方々の和気あいあいとした雰囲気やサポート、信頼関係が確かに築かれていることに加え、ほとんどの生徒の方たちが学習に対して非常に意欲的であり、前向きであることなど実際に訪れてみないと確かめられないような要素は特に印象的であった。そこにいる誰もが真剣な眼差しで学び、教える姿を見ていると、ありきたりな感想になってしまうが本当に暖かくて素晴らしい空間であるのだなと感じた。だからこそ、この空間が続いていくためには「自主」のままではいけないということは代表の城之内さんのお話からもよく分かった。
誰にでも学びの権利があるという当たり前の考えのもとで、その権利を行使したくても出来ない、できなかった人々に救いの手を差し伸べる活動、これが自主的に行われているということは本当に素晴らしいことだ。しかし、この活動に対しての支援が確立されていないというのは誠に残念な話である。これからますます増えていくであろう生徒とそれら各々のニーズに対応していくためには、さらなる場所の確保や開催日の増加、スタッフの増員は避けられない。
また、そもそもの話として、スタッフや運営はボランティアであるが、報酬があってもよいほどの活動ではないかと私は考える。しかし現状は、そのような人々が運営費の手助けをしているような状況であるらしい。なぜ支援の確立が進まないのか不思議で仕方がない。この問題は早急に対応すべき問題ではないのか。まともに教育を受けることすらままならなかった人々をそのままでよいとほっておいてしまうことをそのままでよいとほっておいてしまうことを良しとするのか。早急な支援の確立、そして公立化を願うばかりである。
また、城之内代表が涙ながらに訴えていた「生徒に自分自身を社会のクズと言わせてしまうこの社会こそクズだ」という言葉には心を動かされた。そんなクズの社会のなかでも、城之内さんをはじめとする「岡山に夜間中学校をつくる会」の人々のような、今の状況に危機感を覚え、行動に移していくことができる人々が存在していることに安心感を覚える。全国の不足した学びを求める人々が、このような人々のもとへと引き寄せられることを期待したい。自分もここまで他人を想い、行動することができる人になりたいものである。
【二人目】
私が岡山研修で最も印象に残ったのは岡山自主夜間中学を見学させていただいたことです。夜間中学の存在は以前から知っていましたが、どのような人たちがどのように授業を受けているのか気になっていました。
見学して面白いと思ったのは、皆さんそれぞれいろんなことを学ばれていたことです。英語、数学、文学など自分が学びたいと思った科目を習うことが出来るのはとてもいいと思いました。さらに教えている講師には高校生の方がいたり、世代を超えての地域の交流にもつながっていました。いくつになっても学ぶ姿勢はとても輝いて見えました。
また、岡山自主夜間中学を設立された城之内さんの想いと行動に感動しました。はじめは一人でも、想いと行動で協力してくれる人たちが集まって、今はたくさんの人と頑張ることができる、それも城之内さんが今まで頑張ってきたからだなと思いました。今回の研修では、様々な活動や歴史だけでなくたくさんの人の想いや生き方など大切なことを学ぶことが出来たと思います。
【三人目】
この研修での学習を通して、改めて人の持つ権利すなわち人権について考えさせられた。
岡山自主夜間中学では、人には学ぶ権利があり、教育の機会は均等に確保されなければならないんだと改めて実感した。授業を受ける生徒さんたちの様子を見ていると皆前向きで、楽しそうに授業を受けていた。また、夜間中学について話し合っているときに「本当は夜間中学なんてあってはいけないんだ」という意見が出ました。戦時中、戦後の日本社会の混乱が原因で、学校へ行けなかった人、いじめや虐待によって学校に通えなかった人、様々な良いとは言えない問題があるから夜間中学が存在する。今現在でも夜間中学を必要としている人はごまんといるという。そのような人たちは今すぐに奪われた権利を完全に保証されなければならない。しかし、今後はそんな人たちが生まれてくることのないように平和な世の中を作っていくべきだと思う。