岡山に夜間中学校をつくる会の活動に対して、昨年12月に取材を受け、山陽新聞(1月10日付)朝刊の1面に掲載されました。本当にありがたいです。同時に身が引き締まります。それを受け、私たちスタッフ一同、一人でも多くの学びたい方の力になれるように邁進していきたい所存です。
読めたり書けたりすることは決して当たり前ではないこと、教育を十分受けられていないことは実は生存権にかかわること、そして、この日本において、読書や計算ができなくて、社会的不利益を受けている人が実に多いことなどいろんな問題が横たわっています。みなさんの周りで困っている方がおられましたらご紹介下さい。学びたい方の中には自ら声をあげにくい方もおられます。周りの声掛けが踏み出すきっかけになります。よろしくお願いします。
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以下、記事全文。
「自主夜間中学」岡山に誕生
さまざまな事情で義務教育を修了できなかったり、学び直しを希望したりする人たちを対象に、ボランティアが自主運営する岡山県内初の「自主夜間中学校」が岡山市に誕生した。月2回授業があり、中学教諭らがローマ字や漢字の読み書き、数学などを無償で教える。公立夜間中の必要性を検討している県教委も運営状況に注目している。 「初めて自分で書けた」。初授業があった昨年12月16日夜、岡山国際交流センター(岡山市北区奉還町)で男性(33)=同市中区=が晴れやかな表情を見せた。同市立中英語教諭の城之内庸仁さん(41)の指導を受け、名前のローマ字をなぞった。 小児糖尿病で体調を崩しがちだった井上さんは、小学3年から不登校になり、中学校もほとんど通わないまま卒業証書だけ受け取った。土木作業などで働いていたが、人工透析が必要になり、離職した。 「ローマ字を覚えてパソコンが使えるようになれば、また仕事ができるかもしれない。漢字も勉強したい」と望む。この日は1年半余り不登校状態の岡山市立中2年女子(14)も机を並べ、一緒に学んだ。 自主夜間中の代表を務める城之内教諭は、自分の教え子にも井上さんのような「形式卒業者」がいることに心を痛めてきた。東京電力福島第1原発事故の被災地支援ボランティアに通ううち、福島市にある自主夜間中を知り「岡山にも学び直したい人がいるはず」と思った。不登校経験のあるフリーライター女性(38)=倉敷市=ら3人に講師として協力してもらい、開校にこぎ着けた。 自主夜間中では中学卒業資格を得ることはできず、城之内教諭らも公立夜間中を補完する活動と考えている。公立夜間中は8都府県に31校あるが、岡山県にはない。昨年2月、教育機会確保法が施行され、文部科学省は未設置の道県に対し、それぞれ少なくとも1校は開設するよう求めている。 岡山県教委は昨年、夜間中について説明するちらしを公民館や図書館などで配り、学習希望を調査した。23件の問い合わせがあり、うち5件は「中学段階の勉強を教えてもらえる場がない」など、学び直しを望む内容だったという。 来年春、公立夜間中を新設すると表明した埼玉県川口市では、1985年から続く自主夜間中の活動が背景にあり、岡山県教委も「公民館講座や自主夜間中との連携を検討し、学び直しの場を提供できるよう取り組みたい」(義務教育課)とする。 自主夜間中について、文科省は岡山以外に全国25講座の活動を把握している。城之内教諭は岡山に公立夜間中ができたとしても自主夜間中を続けるつもりだ。「3年の年限を超えて学びたい、土日に通いたいという人もいるだろう。いつでも誰でも学べる場が必要ではないか」と話す。 自主夜間中は当面、岡山国際交流センターで毎月第2・4土曜の午後6時〜9時に開く。次回は13日。 (山陽新聞朝刊1月10日より)
岡山に夜間中学校をつくる会の活動に対して、昨年12月に取材を受け、山陽新聞(1月10日付)朝刊の1面に掲載されました。本当にありがたいです。同時に身が引き締まります。それを受け、私たちスタッフ一同、一人でも多くの学びたい方の力になれるように邁進していきたい所存です。
読めたり書けたりすることは決して当たり前ではないこと、教育を十分受けられていないことは実は生存権にかかわること、そして、この日本において、読書や計算ができなくて、社会的不利益を受けている人が実に多いことなどいろんな問題が横たわっています。みなさんの周りで困っている方がおられましたらご紹介下さい。学びたい方の中には自ら声をあげにくい方もおられます。周りの声掛けが踏み出すきっかけになります。よろしくお願いします。
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以下、記事全文。
「自主夜間中学」岡山に誕生
さまざまな事情で義務教育を修了できなかったり、学び直しを希望したりする人たちを対象に、ボランティアが自主運営する岡山県内初の「自主夜間中学校」が岡山市に誕生した。月2回授業があり、中学教諭らがローマ字や漢字の読み書き、数学などを無償で教える。公立夜間中の必要性を検討している県教委も運営状況に注目している。 「初めて自分で書けた」。初授業があった昨年12月16日夜、岡山国際交流センター(岡山市北区奉還町)で男性(33)=同市中区=が晴れやかな表情を見せた。同市立中英語教諭の城之内庸仁さん(41)の指導を受け、名前のローマ字をなぞった。 小児糖尿病で体調を崩しがちだった井上さんは、小学3年から不登校になり、中学校もほとんど通わないまま卒業証書だけ受け取った。土木作業などで働いていたが、人工透析が必要になり、離職した。 「ローマ字を覚えてパソコンが使えるようになれば、また仕事ができるかもしれない。漢字も勉強したい」と望む。この日は1年半余り不登校状態の岡山市立中2年女子(14)も机を並べ、一緒に学んだ。 自主夜間中の代表を務める城之内教諭は、自分の教え子にも井上さんのような「形式卒業者」がいることに心を痛めてきた。東京電力福島第1原発事故の被災地支援ボランティアに通ううち、福島市にある自主夜間中を知り「岡山にも学び直したい人がいるはず」と思った。不登校経験のあるフリーライター女性(38)=倉敷市=ら3人に講師として協力してもらい、開校にこぎ着けた。 自主夜間中では中学卒業資格を得ることはできず、城之内教諭らも公立夜間中を補完する活動と考えている。公立夜間中は8都府県に31校あるが、岡山県にはない。昨年2月、教育機会確保法が施行され、文部科学省は未設置の道県に対し、それぞれ少なくとも1校は開設するよう求めている。 岡山県教委は昨年、夜間中について説明するちらしを公民館や図書館などで配り、学習希望を調査した。23件の問い合わせがあり、うち5件は「中学段階の勉強を教えてもらえる場がない」など、学び直しを望む内容だったという。 来年春、公立夜間中を新設すると表明した埼玉県川口市では、1985年から続く自主夜間中の活動が背景にあり、岡山県教委も「公民館講座や自主夜間中との連携を検討し、学び直しの場を提供できるよう取り組みたい」(義務教育課)とする。 自主夜間中について、文科省は岡山以外に全国25講座の活動を把握している。城之内教諭は岡山に公立夜間中ができたとしても自主夜間中を続けるつもりだ。「3年の年限を超えて学びたい、土日に通いたいという人もいるだろう。いつでも誰でも学べる場が必要ではないか」と話す。 自主夜間中は当面、岡山国際交流センターで毎月第2・4土曜の午後6時〜9時に開く。次回は13日。 (山陽新聞朝刊1月10日より)